2015/06/16 更新高次脳機能障害
入院・通院・将来の付添看護費用
名古屋地裁 平成27年1月14日判決
自保ジャーナル1943号
今回紹介する裁判例は、争点になりやすい入院・通院・将来の付添看護費用について判断したものです。
今回の裁判例では、高次脳機能障害(2級1号)を残す55歳の女性について、入院時・通院時及び症状固定後の将来の付添看護費用が認められるかどうか及びその金額が争点になりました。
裁判所は、各証拠や裁判におけるすべての事情を考慮して、以下のように判断しました。
- 入院期間中の付添看護については、夫の付添看護を必要としたといえ、日額6,300円を認める。
- 通院付添看護については、通院に付添看護が必要であり、家庭内においても常時介護を必要とするものではないが、随時介護の範疇において比較的密接なケアを必要とするものといえ、家族介護・通院付添看護費として日額6,000円を認める。
- 将来付添看護費については、職業介護を必要とするとは認められないが、親族による介護について日額5,000円を認める。
裁判所は、それぞれの時点での症状の内容や程度を踏まえて、各時点でどの程度の付添や介護が必要になるかという点を、具体的に精査して判断しています。
付添看護費については、このように実際の症状を踏まえて、どのような付添・介護が必要となるかを具体的かつ丁寧に主張・立証していくことが重要です。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。